キラウェア火山の構造
地下のはいったいどうなっているのか
楯状火山キラウェアのひみつ
これがキラウェア火山の海面上に出た部分だけの地図である。海面上と最初にことわったのは、実は海面下にもっと巨大な山体が隠れているからである。海面下の部分もこの地図にあらわしたとすれば、面積だけでもこれの4倍ほどになる。
さて、この地図を見て、誰もが最初に驚くのは、この特異な形状である。我々が普通に想像する火山の上から見た形は富士山で代表されるように、円か楕円であろう。しかしキラウェア火山のそれは円という図形とは程遠いものである。これはリフトゾーンという特殊な構造のために生じる形状である。
地図の真ん中より少し左側に赤く大きな楕円が示されているが、これはカルデラと呼ばれるもので、マグマが一時的にたまる大きな穴が地下にあって、その上の部分が陥没してできたものである。「カルデラ」という言葉はもともと「鍋」という意味だそうで、まさに鍋のように大きくくぼんだ地形である。火口とは単に大きさで区別されていて、2kmより大きなものはカルデラ、小さなものは火口と呼ばれる。しかし一概に大きさだけで区別するのは問題だと私は思っている。というのは、カルデラと火口とは基本的にでき方が違う場合が多いからだ。
リフトゾーンはrift zone と書き、日本語では「割れ目帯」という意味になる。リフトゾーンは楯状火山の中心から放射状に2本か3本延びていて、それに沿って噴火口やピットクレーター(陥没クレーター)、割れ目などが何十キロにわたって続く。噴火活動は中央のカルデラだけでなく、リフトゾーンでも行われる。1983年1月、リフトゾーンにできたプウオオ噴火口からは、すでに20年以上(2003.09.21現在)も灼熱の溶岩を流し続けている。リフトゾーンの地下にはマグマの通り道になるトンネルが通っていて、中央のマグマだまりからリフトゾーン沿いの火口までマグマが流れ込む仕組みになっている。
キラウェア火山の場合、カルデラからリフトゾーンが2本延びている。東へ伸びるイースト・リフトゾーンと南西方向へ伸びるサウスウェスト・リフトゾーンである。イーストリフトゾーンの方がより長く、そして活発に活動している。現在噴火中のプウオオもイーストリフトゾーンにある。
リフトゾーンはどのようなところか
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カルデラ