浅間山登山禁止について
このホームページに掲載されております記事は、調査取材の過程で、禁止されております浅間山山頂への登山を敢行しております。そのいきさつについてここで説明したいと思います。
私は8月13日と9月19日の2回浅間山山頂への登山をしておりますが、1回目の登山の前に軽井沢町役場に入山の許可申請をしました。
申請書は決まった書式があるわけではなく、役場の指示に従って、入山の目的や人数などを書きこみます。入山の目的はドキュメンタリービデオ製作のための調査取材です。
申請書に加えて、私の活動が紹介された新聞と雑誌記事のコピー、以前製作した「キラウェア火山・その脅威の全貌」ドキュメンタリービデオを添付しました。
役場から連絡があり、審査の結果、入山は認められないということを聞きました。
しかし、私はドキュメンタリービデオ製作のための調査取材という非常に重要な目的のために行くのであって、当然入山は認められるべきだと考えておりましたので、再度入山許可の審査を依頼しました。
役所からの2度目の回答は、「他の人にも許可しておらず、例外は一切認められない」とのことでした。申請書に添付したビデオは後日送り返されてきましたが、シュリンク包装がそのままで、開けた形跡がなく、ビデオを全く見ていないことがわかりました。まともに審査したとは到底考えられません。
私は以前キラウェア火山を取材したとき、アメリカ合衆国政府は私に立ち入り許可と標本採集許可を出してくれました。そして実際溶岩が流れていて、しかも爆発が起こっている場所へ許可を持って立ち入ることができ、火山活動の調査と貴重な映像を撮影することができました。
アメリカはきちっとした目的をもっている人に対しては許可を出してくれます。それが国の科学の発展に役立つと考えているようです。
キラウェア火山では私以外にもたくさんのジャーナリストや研究家が政府から許可を得て、溶岩がながれていたり、爆発が起こっている場所へ立ち入って調査取材をしています。その結果、アメリカには火山に関するビデオや書籍が非常にたくさんあり、一般の方々も火山に対して高い関心を持っています。
今回の軽井沢町役場のいい加減な審査結果を受け入れ、登山を断念した場合、日本の自然科学の発展に支障が出ると判断し、あえて規制を破って自己責任において登山に踏み切りました。
登山に際しては安全に万全の対応で望みました。山体の傾斜計の動きや地震の回数などを調べた上、さらに登山中もラジオで情報を得ながら火口を目指しました。規制はやむなく破る結果となりましたが、日本の自然科学の発展のためには、必要なことであると考えます。