浅間山 地球科学
森の中ではいたるところにこのような奇妙な穴を見つけることができる。
ここは国の天然記念物に指定されている溶岩樹型の森だ。
かつてここには別の森林があった。今よりもっと大きな木がたくさん生い茂っていた。
1783年(天明3年)の大噴火の際、ここを流れ下った高温の吾妻火砕流は木々を焼き払った。かろうじて形だけは残った太い木も幹の部分が数メートル火砕流の堆積物によって埋められてしまった。その残った木は朽ちてなくなり、幹があった部分が穴として残った。それが溶岩樹型だ。
溶岩樹型の中にヒカリゴケを見つけた。写真中央付近で、蛍光塗料のように怪しい光沢を放つ苔がそれだ。
鬼押出し西側
同じ鬼押出しでも火山博物館がある方は観光地化されていて、おそらく草かりなども行われている(私の想像)ので、生なましい岩肌を見ることができる。しかし、西側は自然のままほったらかしになっていて、植生再生の様子を観察することができる。鬼押出し溶岩流は木々に覆われていた。
220年前、ここは死の世界と化した。それが現在はこのとおりである。自然の再生の力はすごい!!
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