多量の火山ガスを噴出し続ける巨大火口
浅間山は普段噴火していないときでも白い雲煙を上げているのを麓から見ることができる。白い煙の正体は火山ガスに含まれている水蒸気が湯気に変わったもの。麓からでは双眼鏡を使わないとわかりにくいが、晴れた日は白い煙に混じって青白い煙のようなものも見ることができる。これは二酸化硫黄だ。火口近くまで行くと、なにやらゆで卵のような匂いがしてくる。これは硫化水素というガスだ。二酸化硫黄も硫化水素も人体に有害で、他の火山地域ではガスがたまりやすい窪地で死亡事故も発生している。
火口は二重になっていて、以前あった大きな火口(前掛山火口)の中に釜山という山があって、そこに直径300mほどの火口が口をあけている。火口の深さは変化するそうで、あるときは縁すれすれまで浅くなり、またあるときは数百メートルまで深くなるという。僕がこの火口を訪れたときは深さは300mほどあった。300mの垂直の絶壁に囲まれている。
多量の噴煙を上げていて、火口の底を見るのはかなり根気がいる。
火口の底からは前述の硫黄のガスが勢いよく噴出していて、シューというジェット音が聴こえる。白い湯気が薄くなったとき、赤く白熱した溶岩が見られる。
浅間山山頂火口(釜山火口)から立ち上る噴煙。
空の色と重なって少々わかりにくいかもしれないが、白い湯気の端(特に左の方)に二酸化硫黄の青い色が出ている。
2004年8月13日18時58分
山頂火口南側縁から火口底を撮影
白熱した岩石が見られる。
硫黄ガスを噴出す火口底の噴気孔
2004年8月13日17時37分
火口南側の縁から、火口東側の底を撮影
2004年8月13日17時43分
山頂火口南側縁から撮影
火口の中には幾つもの噴気孔があり、シューというジェット音とともに白い噴煙を噴出す。